OSHIROX

DESIGN / METHOD
デザイン・工法

COATING耐候性について

OSHIROX COAT

コート剤「OSHIROXコート」について

OSHIROXコートによる、OXハイブリッドピーリング工法 ®は非常に高い耐久性を有しており、塗膜コートは日光、風雨、排気ガスなどから来る煤煙など過酷な環境からコンクリートを保護しています。
しかし塗膜コートが曝されている過酷な環境というのは塗膜の外側だけの話ではありません。 コンクリートにおいては高いpHや湿気といった過酷な環境が塗膜の内側で発生しており、これらをシャットアウトするため、専門のコート剤で下地処理を施します。適切に施すことで、耐用年数を飛躍的に向上させることが可能です。

また、OSHIROXコートにより形成された防汚層および防水層は通気性を保持しているため、建材内部に水蒸気がこもることはありません。

耐候性ついて
耐候性について
浸透型(含浸)コート+塗膜型(トップ)コート
特長
含浸シリカコートでコンクリートの中性化を防ぎます。
TOPコートによる2重のコーティング
構成
・PC
・含浸シリカコート
・カチオンプライマー
・カラー及び中塗り
・フッ素TOPコート
塗膜構造
原料にリコート可能なフッ素を使用することで。リコート性が上がります。
耐候性について
浸透型(含浸)コート×2
特長
含浸シリカコートでコンクリートの中性化を防ぎます。
含浸シリカダブルコートよる2重のコーティング
構成
・PC
・含浸シリカコート
・含浸シリカコートネロ

各種コート剤について

REPORT解説

ハイブリッドピーリング加工外壁において、剥落の可能性についての見解を、弊社のデータを交えて解説いたします。

1.コンクリート剥落の原因

1. 物理的理由

  • イ)異物の衝撃による場合 → 防ぎきれない
  • ロ)温度差による膨張収縮の繰り返し原因となる場合
  • ハ)突出している骨材がコンクリートの劣化によって、滑落するケース

1. 化学的理由

  • イ)吸水に由来する劣化(白華の発生や中性化)
  • ロ)外部からの劣化要因(酸性雨、UVなど)
2.ハイブリッドピーリング加工

コンクリートの剥落の多くはコンクリート表面のモルタルの剥落によるものです。弊社のハイブリッドピーリングは機械及びウォータージェット等による加工を施して意匠を作製いたします。これら工法はコンクリートの目荒らしを目的とした工事に採用されており、さらにコンクリート剥落防止のための表面処理工事の1つとして確立された工法となっております。具体的には、突出した骨材の脆弱な部分は目あらし工法によって意匠作製の段階でハツリ取られてしまうため、骨材剥落のリスクはこの時点で減少していると考えられます。

3. 弊社の含浸性コート剤
弊社の含浸性コート剤

弊社の含浸性コート剤の塗布を行いますと高い吸水防止効果が得られます。
また、コンクリートに含浸層が形成されることにより、内側からの水分移動が軽減されエフロレッセンス(白華)の発生及びコンクリートの中性化が抑制されます。さらに含浸性コート剤がコンクリート間の密度を向上させて緻密にすることでコンクリート自体の強度を高くします。
以下は弊社コート剤と他社コート剤を塗布したJISモルタル板サンプルに対して吸水試験を行った結果です。各種コート塗布後のサンプルを5cmの水圧がかかるように水に浸漬し、重量から吸水率を算出しました。
弊社コート剤を使用した場合30日後の吸水率は、他社コート剤と比較して優れた吸水防止効果を示しました。
よって弊社含浸性コート剤はアルカリ性が強いモルタルからの水分の吸い上げも防止できることが示され、これに由来するエフロレッセンスの発生や中性化の進行を強く抑制し、コンクリートの劣化を大幅に遅らせることが出来ます。コンクリートの劣化が遅くなると言うことは、その表面に塗布された塗膜コートの劣化も防止され、より長くコンクリートの美観を維持することに繋がります。

規格モルタル基材/含浸材名 塗布前基材重量( g ) 浸漬前重量( g ) 吸水後重量( g ) 吸水量( g ) 吸水率( % ) 吸水比( % ) 外観の変化( 濡れ色 ) 撥水性/水玉の形状
①ブランク:未塗布 塗布前基材重量( g )# 浸漬前重量( g )2143.30 吸水後重量( g )2190.82 吸水量( g )47.52 吸水率( % )2.220 吸水比( % ) 外観の変化( 濡れ色 ) 撥水性/水玉の形状××
②他社A 塗布前基材重量( g )2107.70 浸漬前重量( g )2109.07 吸水後重量( g )2118.08 吸水量( g )9.01 吸水率( % )0.427 吸水比( % )19.2 外観の変化( 濡れ色 )○/変化なし 撥水性/水玉の形状△/扁平
③OSHIROX PREMIA 塗布前基材重量( g )2144.60 浸漬前重量( g )2145.04 吸水後重量( g )2151.42 吸水量( g )6.38 吸水率( % )0.297 吸水比( % )13.4 外観の変化( 濡れ色 )○/変化なし 撥水性/水玉の形状△/扁平
④他社B 塗布前基材重量( g )2136.48 浸漬前重量( g )2137.36 吸水後重量( g )2145.98 吸水量( g )8.62 吸水率( % )0.403 吸水比( % )18.2 外観の変化( 濡れ色 )△/変色中 撥水性/水玉の形状◎/玉
⑤OSHIROX NERO-1 塗布前基材重量( g )2130.51 浸漬前重量( g )2132.31 吸水後重量( g )2136.61 吸水量( g )4.30 吸水率( % )0.202 吸水比( % )9.1 外観の変化( 濡れ色 )濡れ色 撥水性/水玉の形状◎/玉
⑥OSHIROX NERO-2 塗布前基材重量( g )2135.81 浸漬前重量( g )2137.74 吸水後重量( g )2142.76 吸水量( g )5.02 吸水率( % )0.235 吸水比( % )10.6 外観の変化( 濡れ色 )濡れ色 撥水性/水玉の形状◎/玉
⑦他社C 塗布前基材重量( g )2177.97 浸漬前重量( g )2178.43 吸水後重量( g )2191.43 吸水量( g )13.00 吸水率( % )0.597 吸水比( % )26.9 外観の変化( 濡れ色 )○/変化なし 撥水性/水玉の形状○◎/玉
⑧他社D 塗布前基材重量( g )2118.85 浸漬前重量( g )2119.08 吸水後重量( g )2128.99 吸水量( g )9.91 吸水率( % )0.468 吸水比( % )20.1 外観の変化( 濡れ色 )○/変化なし 撥水性/水玉の形状◎/玉
⑨他社E 塗布前基材重量( g )2144.51 浸漬前重量( g )2145.08 吸水後重量( g )2152.33 吸水量( g )7.25 吸水率( % )0.338 吸水比( % )15.2 外観の変化( 濡れ色 )△/変色中 撥水性/水玉の形状◎/玉
⑩他社F 塗布前基材重量( g )2151.73 浸漬前重量( g )2152.44 吸水後重量( g )2163.35 吸水量( g )10.91 吸水率( % )0.507 吸水比( % )22.9 外観の変化( 濡れ色 )△○/変色少 撥水性/水玉の形状◎/玉
⑪他社G 塗布前基材重量( g )2152.18 浸漬前重量( g )2152.31 吸水後重量( g )2167.77 吸水量( g )15.46 吸水率( % )0.718 吸水比( % )32.4 外観の変化( 濡れ色 )○/変化なし 撥水性/水玉の形状○◎/玉

吸水試験板の作成  含浸材F=第1含浸材 含浸材S=第2含浸材

  • 1)試験体:10×10×10cmモルタル材(JIS購入規格品)
  • 2)4面2液エポキシ塗料でシール(タイトプライマー):乾燥2週間
  • 3)含浸材塗布・刷毛塗り塗布間隔40~60分(ウェット感がなくなった時点で2回目塗布)R1..10/9、10/10 ➡ 乾燥10/24(2週間)
  • 4)吸水試験(水道水浸漬:1週間10/24~10/31)

含浸性コート剤の主成分はシリカです。主成分のシリカ原料はモアイ像の保存工事に用いられた実績のある原料です。硬化の過程は、低粘度の液体オイル状となり粘度の高いオイル状をへて硬い寒天状となりガラス状の無機シリカゲルを形成する流れを作ります(右写真参照)。
これらのガラス状のシリカゲルに至るまでに要する時間は、通常約1ヶ月~2ヶ月(温度により異なる)程度かかりますが、コンクリート内部の微細な隙間に浸透したコートは硬化後に緻密で硬い層を形成します。
特に弊社のシリカコートは、硅酸塩化合物(コンクリート・タイル・ガラス)が持つOH基と非常に強い結合を有する事から表面が緻密となり、それが強度の向上に繋がります。表面硬度も上がることがビッカースハードネス測定で実測可能です。

ガラス状の無機シリカゲル
ガラス状の無機シリカゲル

次のグラフは弊社の含浸性コート剤によるコンクリート表面 (素地) のビッカース硬さ分布を示しております。未塗布(左グラフ)の場合ビッカース硬さ分布の平均値が52であるのに対し、含浸性コート剤を塗布した場合では67に上昇しました。ビッカース硬度が30%以上向上したことになります。

ビッカース硬さ
ビッカース硬さ

次のグラフは弊社の含浸性コート剤による研ぎ出しコンクリート表面のビッカース硬さ分布を示しております。未塗布 (左グラフ) の場合ビッカース硬さ分布の平均値が91であるのに対し、含浸性コート剤を塗布した場合では123に上昇しました。こちらもビッカース硬度が30%以上向上したことになります。

ビッカース硬さ
ビッカース硬さ

以上の結果から弊社の含浸性コート剤がコンクリート素地の硬さ上昇に加え、骨材との密着性向上に有効であると考えられます。
一方で、一般的なシラン系の撥水剤はシリカのような緻密で固いガラス状ゲルを形成しないため、コンクリートを緻密にする効果はなく、物理的な耐久性向上の付与はしません。
以下はハイブリッドピーリング処理を施したコンクリート板へのモルタルの付着試験を行った結果になります。以下の図のようにハイブリッドピーリングを行ったコンクリート板に既製調合モルタルを塗布して十分に乾燥させ、塗布したモルタルを引っ張り上げることで付着性をテストしました。モルタルがコンクリート板から剥離したときの最大荷重を密着性として数値化しました。

その結果、含浸性コート剤を塗布したコンクリート板において密着性 (最大荷重) の減少が見られました。表面含浸剤を塗布したことによって吸水性が低下すると共に含まれるシリカがコンクリートを緻密にしたため、モルタルの付着性が低下したと考えられます。

付着性をテスト
表面処理 表面含浸剤 最大荷重(N)
WJ-RH 塗布 最大荷重(N)1148
無塗布 最大荷重(N)1850
WJ-H 塗布 最大荷重(N)1606
無塗布 最大荷重(N)2774

・ホルムアルデヒドを含まない
ホルムアルデヒド放散量が検出限界値以下(0.030mg/L)であり、ホルムアルデヒドを含んでいません。よって外壁だけで無く内壁にも安心して使用していただけます。

・超低汚染性
超低汚染性で汚れが付着しにくく、付着しても水洗いなどで簡単に除去できます。また耐洗浄性に優れているため、洗浄により塗膜が劣化する心配がありません。

含浸シリカコート含浸の深さ画像
含浸シリカコート含浸の深さ画像
ウォータージェット施工面
含浸シリカコート含浸の深さ画像
研ぎ出しPC
4. さらに

ウォータージェット加工した黒色アーキテクチュラルコンクリートにOSHIROXスティンガードNERO(シリカ系含浸剤)を塗布し、本コートの耐候性を調べるためにメタルハライドウェザーメーターによる促進耐候性試験を行いました。試験後のサンプルの様子及び表面撥水で製品を評価しました。また、吸水性試験を行いコート塗布サンプル及び未塗布サンプルの吸水量を比較しました。

5. 結果

促進耐候性試験を1000時間(実曝20年程度)行ったサンプルについて、試験を行わなかったサンプルとともに目視による観察を行いました。艶を含む外観の変化を観察したが、試験を行わなかったサンプルとの差異は見られませんでした。

促進耐候性試験に供したサンプル
促進耐候性試験に供したサンプル
未試験サンプル
未試験サンプル

続いて促進耐候性試験を1000時間(実曝20年程度)行ったサンプルについて、試験を行わなかったサンプルとともに水滴を垂らして表面の撥水性について評価しました。その結果、いずれのサンプルもコンクリートに見られる吸水性は示さず、表面の撥水性を維持していました。

促進耐候性試験に供したサンプル
促進耐候性試験に供したサンプル
未試験サンプル
未試験サンプル

さらにOSHIROXスティンガードNEROを塗布したコンクリートの吸水率を無塗布のコンクリートと比較しました。コンクリート全面にコートを塗布後、5cmの水圧がかかるように水に浸漬させ、その状態で30日放置した。30日放置したのちにコンクリートサンプルの水滴をふき取り、試験前のサンプル重量と30日試験後のサンプルの重量を比較することでコンクリートサンプルの給水量を算出しました。その結果、OSHIROXスティンガードNEROを塗布したコンクリートは、コート無塗布のコンクリートと比較して10分の1程度まで吸水を抑制していました。

コンクリートの吸水率
コンクリートの吸水率
6. 考察

ウォータージェット加工した黒色アーキテクチュラルコンクリートに弊社コーティング剤OSHIROXスティンガードNEROを塗布し、メタルハライドウェザーメーターによる促進耐候性試験を1000時間行いました。同試験による1000時間試験は屋外暴露20年に相当するといわれており、OSHIROXスティンガードNEROは少なくとも15年以上様々な環境要因に起因するコンクリートの劣化を防ぐことが期待できます。OSHIROXスティンガードNEROはシリカ系のコート剤であり、シリカはコンクリートを緻密にするとともにUVに強く、コンクリートをより強固にします。
一方でコンクリートの主な劣化原因として、UV以外に吸水に起因するコンクリートの劣化が知られています。吸水に起因する劣化としては白華(エフロレッセンス)の発生、中性化、及びこれらに伴うひび割れなどが挙げられます。OSHIROXスティンガードNEROはコンクリートの吸水性を大きく抑制し、吸水に起因するコンクリートのトラブルを防ぐことが期待されます。

上述したように、OSHIROXスティンガードNEROはコンクリート劣化原因であるUV及び吸水を防ぐことで、コンクリートの美観を長期にわたり保つことが可能であると判断されます。
弊社のスティンガードNEROは無機コーティング材でありアミノアルキルトリアルコキシランにシリカ及び低分子、高分子、両シリコーンを複合結合させており、シランモノマー単体に比較しても圧倒的に躯体保護色彩保護に寄与いたします。

7.研ぎ出し仕上げ(PBP)及びウォータージェット仕上げとの比較

一般にプレキャストコンクリートの表面仕上げにはサンドブラストもしくは研ぎ出し仕上げが一般的でありますが、黒色もしくは、色彩を長期にしかもより深く維持するためにはサンドブラストは表面に砂粒をぶつける仕上げの為、黒及びカラーコンクリートが砂粒との衝突によって、白くぼけます、これは施工上避けようもなく、色彩を深く強調するためには不向きである工法と言えます。
また研ぎ出しにつきましては、表面の緻密さからコーティング剤が深く浸透しにくく、よって色抜けの確率も高まります。
また大規模の建物においては研ぎ出しの風合いは遠方からは識別しにくく掛けるコストの割にはインパクトに欠けます。
ウォータージェット仕上げに関しては表面積が研ぎ出しに対して3倍以上になり、より深く色彩を放つことが可能です。
また画像でもわかりますように、コーティング剤の含浸層が研ぎ出しの2倍程度の深さになり、よりコンクリートを保護いたします。

研ぎ出し仕上げ(PBP)及びウォータージェット仕上げとの比較
研ぎ出し仕上げ(PBP)及びウォータージェット仕上げとの比較
8. 考察

ここ数年で各メーカーが製造している塗膜コートの性能は劇的に向上しているように思います。しかしながら塗膜コートを塗布する前の下地調整に目を向けた製品は多くありません。またあったとしても、一時的な吸水防止効果は示していますが、弊社含浸コート剤まで耐久性を考慮した商品はかなり限られております(弊社試験結果より)。
最近では塗膜コートを塗布する前にカチオンプライマーのようなシーラーを塗布する工法がある程度確立されています。カチオンプライマーは躯体と塗膜コート剤に対して優れた密着性を示し、より剥がれにくい塗膜コートの施工を可能にしました。
しかし市販のカチオンプライマーは密着性を重視した製品であると共に主原料が高分子の樹脂化合物であるため、コンクリートに対してほとんど含浸せず、またこれ自体はほとんど吸水防止効果を持たないことが弊社の試験から明らかとなっています (データは示さない)。さらにカチオンプライマーはシラン系の含浸剤と同様にコンクリートの物理的強度の向上には繋がりません。

一方で弊社の含浸コート剤は優れた吸水防止効果と高い耐久性を有しており、それだけでもコンクリートなどの躯体を汚れなどから守ると共にその美観を長期にわたり維持します。
また弊社の含浸コート剤は外からの汚れだけでなく内側からの水分の吸い上げも防止し、エフロレッセンス、濡れ色の発生、及びコンクリートの中性化を強く抑制します。さらに主成分であるシリカがコンクリート内部に浸透して無機化することによって緻密にし、硬度を向上させることでその美観を長期に保つだけでなくコンクリート剥落のリスクを低下させています。硬化したシリカは不活性な無機物であるため、UVやその他劣化因子などによる影響をほとんど受けません。

一方で、塗膜コートはコンクリートなどの躯体を汚れや外界の過酷な環境下から保護する目的で塗布されます。多くの塗料メーカー・塗装業者がこの様な考えに基づいているはずです。しかしよくよく考えてみると、過酷な環境というものは塗膜の外側だけでは無いことに気がつくと思います。コンクリートの場合、高いpHや水分 (湿気) と言った過酷な環境が塗膜の「内側」にも存在し、塗膜コートは両側から過酷な環境下に曝されていることになります。

弊社の含浸コート剤はコンクリートを強化すると共にコンクリートに散見される過酷な環境を軽減させることで塗膜コート剤の寿命を大幅に向上させることを目的としています。塗膜コートは過酷な環境から躯体を保護しますが、その塗膜コートは弊社の含浸コート剤によって内側から保護されています。見えにくいところで確実に効果を上げている「縁の下の力持ち」が弊社の含浸コート剤なのです。

弊社の最新型OSHIROXスティンガードNERO含浸シリカダブルコートは、高い耐久性を有し、さらにお互いに保護し合うため弊社のコート剤は非常に高い耐久性を有しています。
吸水の防止、コンクリートの緻密化、ハイブリッドピーリングにおけるコンクリートや骨材の剥落リスクを大幅に低下させます。またハイブリッドピーリングは、ハツリやビシャンなどによる表面加工と同様にコンクリートの脆弱な部分を取り除く目的で施工される場合もありますが、マイクロクラックの発生が少ない工法でもあります。よってビシャンやハツリなどの表面加工と比較しても骨材剥落の可能性は低いと考えられます。

9. まとめ

以上をまとめますと、

1.コンクリート表面の部分的な脆弱性
  • ウォータージェットによる意匠作製の段階でハツリ取られる
  • 含浸コートによりコンクリート表面硬度を向上させる
2.吸水に伴うコンクリートの劣化 (表面、裏面、及びクラックからの吸水)
  • 弊社の含浸コートがあらゆる原因から吸水を防止する

3.無機コートであるため塗膜型の有機塗料のように10~15年程度で劣化いたしません。ハイドドロメタル試験においては20年以上のノーメンテナンスの性能を要すると思われます。

4.画像の通り表面の汚れを雨で掴み流れ落とす性能を保持し防汚性能に関しても光触媒のような光の当たらない部分は汚れが積層するようなリスクはありません。

5.研ぎ出しと比較して遠方からの壁面の意匠及び黒さに関しては圧倒的にウォータージェット意匠の方が優れていると結論づけます。